こんにちは。
いつも高知東店のブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
連休中は1日1文字更新にお付き合いいただきありがとうございました!
連休突入前夜に急遽まとめて執筆しましたので、お見苦しい点も多々あったかと思います。
自動更新機能の実験としてやってみましたが、まあ不安定。
もう2度とやりません(笑)
連休の一コマ『虹とフォレスター(型落ち)』
それはそうとお盆休みはいかがお過ごしでしたか?
連休にお出かけされたお客様から「スバルに乗り替えてからドライブが愉しくなった」とか「アイサイトで長距離のドライブが楽だった」というお話が聞けて営業冥利に尽きます。
そんな私もこの連休は長時間のドライブでスバルの恩恵に与っておりました。
先日のブログでモータリゼーションにおいてはクルマとインフラは切っても切り離せないと申しました。
そこで、この連休では特に私が感銘を受けたインフラを拝みに行くことにしました。言わば聖地巡礼です。
この写真でどこへ行ったかもうお分かりですね
皆様は岐阜県にある「飛騨トンネル」をご存知でしょうか?
飛騨トンネルは岐阜県飛騨市河合町と合掌造りの集落でお馴染みの「白川郷」がある大野郡白川村にまたがる「籾糠山(もみぬかやま)」を貫き、道路トンネルとしては日本第3位の全長10,710mという長さを誇ります。
その飛騨トンネルを実際に走る為、岐阜県に行っておりました。
飛騨トンネルのおおよそ中間
6km走ってもまだ5kmあります
長さだけなら山手トンネルや関越トンネルがありますが、私が飛騨トンネルを愛している理由はその難工事にあります。
そもそも、飛騨トンネルのある東海北陸自動車道は南は愛知県の一宮(いちのみや)ジャンクションから北は富山県の小矢部砺波(おやべとなみ)ジャンクションまでの区間からなり、日本地図をご覧いただくと一目瞭然、東海と北陸を最短距離で結びます。
しかし、高速道路が完成する以前の白川郷から河合町へ抜ける「天生峠(あもうとうげ:国道360号線)」は、標高が高く豪雪地帯である為、年間の半分を雪に閉ざされ、通行することが出来ません。
そこで、東海北陸自動車道の最後の工事区間として籾糠山を貫く飛騨トンネルの掘削が始まりました。
通常、山岳トンネルの施工はおおよそ以下のプロセスから成ります。
①事前調査
トンネルの発注者がトンネルを設計する段階で地質調査等を行い施工業者に発注
②掘削
発破や機械を使って切羽(きりは:トンネル掘削の最前部)を掘り進めて行く
③ずり出し
掘削により生じたずり(土石や岩石)を坑外に搬出
④支保工(しほこう)
壁面にコンクリートを吹き付けたり、必要に応じて鋼鉄製のアーチを配置したり、ロックボルトを放射状に挿入することで安定させる
⑤2次覆工(ふっこう)
壁面に防水シート貼り付け、その上からセントルと呼ばれる型枠にコンクリートを流し込む
⑥舗装、各種設備
路面を舗装したり、照明や排気等の設備を設置
⑦完成
詳しくはショールームに展示中のこちらの本をご覧ください
(読書の秋にのせられて買っちゃいました、、、)
飛騨トンネルではこの中でも②掘削が困難を極めました。
籾糠山は①事前調査の段階ではいくつかの断層はあるものの比較的硬い岩盤であることが予測されており、②掘削工程をTBM(ティービーエム:トンネルボーリングマシーン)によって行うことになりました。
TBMとは、円盤状に岩石を砕くカッターが並び、それを回転させながら前進することで円形に掘削することが可能で、火薬等の危険物を扱う必要もなく、切羽に人が近づく必要もない為、安全に掘削が行える点が挙げられます。
長大な飛騨トンネルは、のちにトンネル火災等の際に避難坑となる直径4.5mの先進坑から掘削を始めました。
「天生太郎(あもうたろう:現財務大臣に響きが似ていますね)」と名付けられたTBMは当初は順調に掘削が進みましたが、やがて暗雲が立ちこめます。
トンネル工事が一般的な土木工事より困難な所以は、施工予定箇所を事前に見ることができない点にあります。
つまり、①事前調査だけではその山の全容を把握することは不可能で、実際に②掘削してようやく現れる地質にその都度対応していく必要があるのです。
比較的ドライで強固な岩盤の掘削を想定して採用されたTBM。
そう、TBMが苦手とするのはウェットで軟弱な地質です。
籾糠山を構成する岩盤そのものは強固でも、地層が形成される際に熱水変質という作用を受けた地質は脆く崩れやすく、崩れ出した地圧によりTBMが拘束されたり、切羽や掘削面より溢れ出す湧水により精密なTBMは漏電等の危険に晒されてしまいます。
本来切羽に人が近付かなくてもよいことを利点とするTBMもこの時ばかりはそうもいかず、拘束される度に人力でTBMの上部や前部を掘削することでTBMを解放し、湧水がある度にTBM前方の地山に大量のセメント注入材を流し込みTBMが掘削しやすい地山(これを自立した地山と言います)に改良しながら掘削を続けます。
その後も不良地山帯や高圧湧水帯に直面し、幾度となくTBMが拘束されました。
しかし、TBMが駄目でも諦めないのが現場作業員の根性です。
そこで、TBMでの掘削が難しい箇所は従来から工法が確立されていたNATM(ナトム:新オーストリアトンネル工法)に切り替えられました。
NATMは②掘削工程を発破によって行う方法で、特にTBMが苦手とする不良地山帯においては、ロックボルトを用いた?支保の施工によって軟弱な壁面の安定を図ることが可能です。
通常は単一の工法で掘り進められることが多い山岳トンネルですが、飛騨トンネルはTBMとNATMを併用したハイブリッド工法が特徴です。
NATMで軟弱な不良地山帯を突破し、切羽の自立が見られると再びTBMが発進し順調に掘削を続けましたが、そこは籾糠山。
貫通まで残り僅かのところでTBMは、、、
詳しくはショールームに展示中のこちらの本もご覧ください
(岐阜帰りの勢いそのままに買っちゃいました、、、)
とまあ、こんな具合でノンフィクションながら数多くのドラマが生まれた(上の本は読書感想文に最適です!)飛騨トンネルは、直径4.5mのTBM「天生太郎」とNATMが先進坑の掘削で地山の分布の確認や高圧湧水の水抜きボーリングを行ったことで、のちに道路となる本坑掘削前に対策が可能となった上に、ドライな状態での掘削が可能となり、直径12.84mの大断面TBM「夢天生2000」やNATMのハイブリッド工法を駆使して、先進坑ほどの苦戦を強いられることもなく、2007年1月に貫通、2008年7月より供用となりました。
現在、東海北陸自動車道を愛知県経由で白川郷に行く場合は、必ず飛騨トンネルを通ることになります。
白川郷の合掌造りが伝統的な木造建築技術と多くの人力でもって築かれたように、そこに至る飛騨トンネルもまた前人未到の秘境を貫く為に日本のTBMを始めとする最新の技術と長らく培ってきたNATM、さらにはこのブログではご紹介していないものの、NATM以前までは主流であった「矢板工法」すらも駆使し、たくさんの工夫の手で築かれました。
白川郷へとご旅行の際は、是非飛騨トンネルの壮大な物語に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
ちなみに飛騨トンネルは白川方から河合方にかけて2%の上り勾配となっています。
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特に10kmを超える単一車線の上り勾配の飛騨トンネルにはもってこいです!
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是非、週末は四国スバル高知東店で先進のアイサイトをご体感ください!
消波ブロック・ダム・トンネル。周囲の人には長らく否定してきましたが、どうやらコンクリート中毒のようです。
8/24 つの
前回:営業再開です!