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さて、連休直前のブログにておうち時間の参考になればと「プラクティスミュート特集でもしましょう」と申しておりましたが、実はあのブログの更新と同時に早速その準備として騒音計を注文したのです。
しかし、発送元の確認を怠った為、いざ注文してみると中国(中国地方ではなく中華人民共和国)からの発送になるようで残念ながら連休中には間に合いませんでした。
その為、伏線から二週間のタイムラグが生じてしまったのですが、ようやく騒音計が届きましたので早速試してみましょう!
そもそもプラクティスミュートとはその名の通り練習用の弱音器のことで、楽器に装着することで音量を抑え、大きな音の出せない環境でも練習をしやすくしてくれる代物です。
しかしながら、響きを抑えて音を小さくするということは、プラクティスミュートがない演奏時と比べると音色や響きは全く異なり、抵抗が増す(息が入りにくくなる)だけでなく、全体的にピッチが上がりやすくなるということです。
つまり、ミュートを装着しての練習はミュートがない場合の吹奏感と異なる為、感覚が狂ってしまう恐れがあります。
楽器を手にして間もない初心者の方は楽器本来の響きを掴めていないことがありますので、響きを殺してしまうミュートを使用した長時間の練習はおすすめしません。
しかし、本来の響きとは異なることをきっちり理解した上で行うミュートによる練習は悪いことばかりではないのです。
前述の通り、音量を抑えて練習が出来るだけでなく、ミュートを装着した状態で楽器を鳴らすにはたっぷりの息の量や腹筋の支えが必要になりますので、これらの点を意識すれば自ずと肺活量を鍛えることになります。
ミュートとは正しく付き合っていきたいですね。
それではミュートの有無による音量の違いを見てみましょう!
測定の条件
・今回測定する音はb(シのフラット)/息の量は「極めて強く」のff(フォルティッシモ)相当
・ベル(ラッパの部分)から騒音計まで約1m
・騒音計の特性はA特性(人間の聴覚を考慮した周波数重み付け特性)
実験前の部屋の環境音を測定したところエアコンのON/OFFで次のような値でした。
エアコンOFF:42.1dB/ON:43.8dB
40dB台は図書館内と同じ程度の音量です。
まずはミュートなしの場合。
118.8dB(デシベル)
これは騒音計を使うまでもなくうるさいです。
この数値は騒音の目安で言えば自動車正面でのクラクション(110dB)〜飛行機のエンジンの近く(120dB)という値です。
以前から音の大きな楽器だとは思っていましたが、まさか飛行機のエンジン付近と同等とは驚きですね。
ちなみに、ウォームアップや難しいフレーズの練習の際にマウスピースだけで音を出すことも多いと思いますが、こちらの音量は80.1dBでした。
80dB台はパチンコの店内と同じ程度の音量ですが、今回はマウスピースへの抵抗なし数値なのでタオルやハンカチをマウスピースの先端に閉じないように軽く当てて、実際に楽器を吹いた時と同じ程度の抵抗を与えてあげるともう少し音量を抑えることが可能です。
ミュートなしの音量を基準に、お次はプラクティスミュートと、他にいくつかのミュートを試していきましょう。
ベストブラス
ウォームアップ バストロンボーン(74g)
ベストブラスさんから販売されているウォームアップミュートで、その名の通りウォームアップに最適な練習用ミュートです!
消音性の高さだけでなく、軽さとミュート装着時の違和感の少なさ(他のミュートと比較した場合)も特徴です。
私は大学入試の実技試験に向けて自宅で練習する際に重宝していました。
マウスピースのみでの音量と同等
80.5dB[-38.3dB(※)]
※ミュートなしの場合と比較した消音性能(以下同じ意味)
トムクラウン
バストロンボーン ストレートミュート アルミニウム(179g)
ストレートミュートは明るく歯切れの良い音が特徴で、中でもトムクラウンさんのストレートミュートは大きい音量での豊かな響きを誇ります。
そんなわけで練習用ミュートとしての使用は期待できません。
ちなみに、楽譜に「ミュートを使え」と指示がある場合は特に種類の指定がなければストレートミュートを使用します。
故によく使うミュートだと思います。
カラオケの店内に匹敵する
98.5dB[-20.3dB]
デニス・ウィック
バストロンボーン カップミュート(321g)
カップミュートは少しこもったような音ですが、デニス・ウィックさんのカップミュートは明瞭な発音が特徴です。
楽譜ではストレートミュートに並んで何かとよく指定されています。
96.5dB[-22.3dB]
デニス・ウィック
ワウワウミュート(324g)
「ワウワウ」という不思議な名前ですが、ミュートの先端を左手の指や手の平を使って開閉することで文字通り「ワウワウ」という音を出せます。
95.3dB[-23.5dB]
ついでに先ほどのワウワウミュートからステムと呼ばれる中筒を外すと『チーチーミュート』(247g)というミュートになります。
これも「ワウワウ」と同じく「チーチー」という音が出るのでこの名前なのですが、『ハーマンミュート』という呼ばれることも多いミュートです。
先週、「メロディオン」や「ピアニカ」が各社の商標ながら普通名称化しつつあるという話をしましたが、こちらもワウワウミュートにおいてはハーマン社が代名詞的存在の為にそのように呼ばれています。
市販の楽譜にすら「”ハーマン”ミュートで演奏」と指示されることがあるほどです。
チーチーミュートには最初からステムがセットされており、前述のワウワウミュートとして販売されていますが、「ハーマンミュートで演奏」や「ハーマンミュートからステムを外して演奏」という指示があった場合はステムを外し、チーチーミュートにして演奏します。
ジャズトランペットでは頻繁に使用されるようですが、トロンボーンや、まして私の専攻していたバストロンボーンではほとんど使われることがありません。
たった一度きりの演奏会のたった一曲の為に購入しましたが、その数小節が最初で最後でした。
このようなカタチで日の目を見ることが出来て”ワウワウチーチー”ミュートも嬉しそうです。
90.4dB[-28.4dB]
ベストブラス(国内販売元)
サウロ(バケット)ミュート バストロンボーン(379g)
バケットミュートはミュートの中に綿やクッションが入っており、音色をソフトにしてくれます。
こちらのバケットミュートも演奏会ではたったの一度しか使用したことがありませんが、先ほどのワウワウミュートと違い、その後も個人の練習ではよく使用していました。
サウロミュートの特徴としてはミュートながらほとんど音程や響きを犠牲にすることなく音色を柔らかくしてくれますので、サウロミュートを装着して演奏するとなんとなく上手くなったと錯覚します。
練習で行き詰まり心が折れそうな時にはそういった自己満足も必要なのです。
もちろん外した時に再び絶望するのですが(笑)
96.8dB[-22dB]
というわけで私の持っているミュートの結果が出揃いました。
消音効率ランキング
第1位
ウォームアップミュート[-38.3dB]
第2位
チーチーミュート[-28.4dB]
第3位
ワウワウミュート[-23.5dB]
第4位
カップミュート[-22.3dB]
第5位
サウロミュート[-22dB]
第6位
ストレートミュート[-20.3dB]
やはり第1位は圧倒的な消音効率でウォームアップミュートでした!
今回のような騒音対策の観点からはウォームアップミュート以外のミュートを使用してもカラオケ店内と同じ程度の音量ということで、実用的ではなさそうです。
そもそもミュート(弱音器)と言う名前が厄介で、金管楽器で言うところの「ミュート」は多くの場合、電子楽器における「エフェクター」のような位置付けです。
つまり、ミュートは抵抗を与えることで音色や響きを変えるのが目的であって、その過程で通常の息の量では音量が小さくなるに過ぎないのです。
現に、これらのエフェクター的なミュートを使用する際には変化した音色や響きを聴かせる為に、通常時よりも息を強く吹き込むことが多いのです。
私も吹奏楽でミュートを使用した際には自身が思っている以上に「もっと鳴らして!」と指示されることがありました。
もし金管楽器のミュートを弱音器とお考えの方は少し見方を変えてみると音楽がもっと愉しくなりますよ!
ところで、今回の計測結果ですが、非常に安価な騒音計で測定している為、数値の信憑性は定かではありません。
三脚の方が高かったとです、、、
参考までに同じ騒音計でWRX STI(STIエキゾーストキット装着車←オススメです!)の排気音を測定すると次のようになりました。
1,000回転時70.5dB
4,000回転時83.4dB
屋内・屋外という空間の違いや音源からの距離など、必ずしも条件が同じとは言えませんが、ウォームアップミュートを使用した場合の音量とスポーツカーの4,000回転近い排気音が概ね同じという結果に少し困惑しています。
もちろん、家屋の壁やガラスといった建物の防音性能値を差し引き、演奏する曲が常にffではないという点を考慮したとしても、ご自宅での練習にはウォームアップミュートの使用以外に条件が付くと言えます。
総務省の指針によると一般的な住宅(主として住居の用に供される地域)では昼間(6時〜22時)は55dB以下、夜間(22時〜翌6時)は45dB以下であることが望まれます。
そう考えるとウォームアップミュートの使用だけでは難しそうですよね。
総務省では『騒音をなくす5つの気くばり』を挙げています。
1 時間帯に配慮しましょう。
2 音がもれない工夫をしましょう。
3 音は小さくする工夫をしましょう。
4 音の小さい機器を選びましょう。
5 ご近所とのおつきあいを大切にしましょう。
これに基づき、練習用ミュートの使用を前提として具体的に考えられるのは次の点です。
・夜間の練習は防音設備がない限りしない
・昼間の練習も早朝や夕方は避ける
・扉や窓、カーテンを閉める
・可能であればシャッターも閉める
・カーペットを敷く
など
既存の設備をフル活用し、考えうる様々な対策を施すことでようやく騒音を抑えることが可能です。
もちろん、これより本格的に練習をしたい場合は防音室への改築やプレハブ型の防音室の導入を検討された方が良いでしょう。
先週、高知県では緊急事態宣言が解除されたものの、まだまだ予断を許さないコロナウイルス感染対策。
外出自粛という中でも毎日ほんの少しでも楽器を練習することは技術の維持や向上にとって重要だと思います。
今回の検証はバストロンボーンとそのミュートでしたが、トロンボーンは比較的音量の大きな楽器(これ以上の音量では例えばドラムなど)ですので、他の多くの楽器の参考にもなるのではないでしょうか?
様々な工夫でおうち時間を少しでも豊かなものにできると良いですね。
さて、今月下旬のレヴォーグの受注終了もいよいよ目前となってまいりました。
今週末より3週連続で『Let’s 体感試乗 DAY!』がございます!
※高知東店ではコロナウイルス感染予防の為、ご試乗後に試乗車の消毒を行っております。また、ショールームにはお客さまがご自由にご利用いいただけるアルコールを配置しておりますので、お気軽にご利用ください。
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スノードーム、とってもかわいいですね!秋は銀杏・冬は雪・春は桜。では夏は何が舞っていると思いますか?私にはわかりません。
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